Phase3 2003-2004
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講 演 後 記
日時:平成16年6月18日(金) 19:00〜
■講師 :  (株)高岸建築研究所 代表取締役 高岸 弘
Power30’s Third第10回の例会は、轄jン建築研究所の高岸弘氏に講演をしていただきました。建築のご専門の方が「メンタルトレーニング」?と、首をかしげる方が多い中、その疑問にも答えつつ実践的な講演をしていただきました。今回の例会は司法書士法人プロネックスの山口里美氏ご担当の分科会でしたので、私自身高岸氏にお会いするのは講演当日が初めてで、とても楽しみにしていました。

まずは「残像メンタルトレーニング」とは何かということについてご説明されました。要は「残像」を利用して「いつでもどこでも“リラックス”できる方法」と「いつでもどこでも“集中”できる方法」を身につけるということだそうです。あらゆる局面において活用できるものですが、結果が早く現れてデータが取りやすいという点で、主にスポーツ、特に切り替えの時間を取ることのできるスポーツにおいて多く導入されているようです。なんでも高校野球においては、出場校の約9割がこの手法を導入しているらしく、テレビ中継を見ているとピッチャーもキャッチャーも同じ動作を始めたりして、指導者としてはなかなか笑えるとおっしゃってました。

次に、実際高岸氏が開発されたいくつかのカードを用いて、残像を実際に見る実験をしてみました。「リラックス」用と「集中」用のカードをそれぞれ見て残像を見ましたが、これは圧倒的に男性よりも女性のほうがよく見えるようです。残像が「見えない」ことの理由の1つとして、見えない人は「人の話を聞かない」タイプの人が多いようです。そういう人には素直に人の話を聞けるトレーニングをするようです。どんな話でもとりあえずは素直に聞いてみて、もし自分に合わなければ聞いてから捨てればいいのに、はなから素直に聞こうとしない人が多いというお話は、とても実感できるものがありました。

リラックスをしている時は脳からα波減弱が、集中している時はFm?波が出ているそうで、これらの脳波はまだまだ医学的には明らかにされていないところだそうです。でも、集中力を高めると免疫力が向上するなど、かなり注目されている分野ではあるようです。

講演の中でとてもインパクトがあったのは、テニスのダブルスの例を出されて、スポーツをしているときのマインドがプラス思考からマイナス思考に転じるのは、たった0.2秒しかかからないというお話です。さらに衝撃的だったのは、スポーツを行っている途中でそのマイナス思考からプラス思考に一足飛びに戻ることはありえないということでした。かならずマイナス思考→リラックス(平常心)→集中(無心)→プラス思考という小さな切り替えをしながらでしか状態は戻らないようです。テニスにしろゴルフにしろ、すぐにプラス思考に戻りそうに思いがちですので、これはちょっとショックでした。また、スポーツに限らず、通常のビジネスでも同じことが言えるようで、落ち込んだらすばやく手を打つことが何より大切なようです。

そもそも高岸氏がこのメンタルトレーニングに取り組まれたのも、ご自身が専門に携わられてきた建築という業種と「精神世界」は密接につながっていると感じられていたからだそうです。リラックス・集中・シミュレーションというのは建築にも必要な要素であり、住宅はメンタルトレーニングの場、建築家はメンタルトレーナーでなければならないという思いが強くあるそうです。

高岸氏が提唱されているメンタルトレーニングは、あくまでも自分の力を100%出すためのサポートツールであるため、これを利用したからといって自分の力そのものを上げるものではないようです。けれど、このような手法を知っているか知らないかで、スポーツのみならず、日常生活でもかなりの部分応用できるなというのが実感でした。高岸氏がおっしゃるところの「感性の横並び」というのがあって、1点集中の手法で集中力を高めると、自ずと他の能力もあがってくるものだそうです。決してスポーツの世界だけの独特の手法ではなく、それこそ素直に耳を傾け、実践してみる価値が十分にある、意義の深いお話でした。

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