Phase3 2003-2004
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講 演 後 記
日時:成16年3月12日(金)午後7時〜
■講師 :  (株)二期リゾート 代表取締役  北山 ひとみ氏
Power30’s Third第7回の例会は「私の仕事史〜女性の視点で“おもてなし”」と題して、東京から鞄期リゾート・代表取締役の北山ひとみ氏に来ていただき、講演をしていただきました。私と北山氏とは、お知り合いになってかれこれ3年が経ちます。大阪で開催されていた松岡正剛氏の「上方伝法塾」で初めてお会いしたのですが、以来、何度かお食事をごいっしょさせていただいています。

おかげで、二期倶楽部にも2回お伺いし、東京都内にある北山氏のレストランにも数件お伺いすることができました。今回Power30’s Thirdの企画段階で、ぜひ北山氏の魅力を存分に語っていただきたいと、講師をお願いしました。

ご本人はあまり講演をされることもないようで、嫌がってらっしゃったのですが、そこを無理やりお願いし、今回の例会が実現しました。講演はまずはご本人の生い立ちに始まり、やがて20歳で結婚し、子供を産まれた後、ご主人とともに学習塾の「栄光ゼミナール」を立ち上げた話しをされました。今でこそホテル・レストランのオーナーのイメージが強い北山氏ですが、ご自身のビジネス経歴は「教育」から始まっていたようです。「栄光ゼミナール」は後にご存知のとおり大きく成長し、いまや全国に260の拠点を持ち、様々な多角化を行い、平成8年には二部上場を果たされたそうです。そこで北山氏は保育園事業・文化事業等40-50の新規事業を立ち上げられたそうで、それが後に北山氏の大きな財産になったそうです。

ご本人はいろんな顔を持つとおっしゃっていますが、続いて、文化事業の一環として手がけられた現代ガラスコレクターとしての一面を話されました。こちらも、当時なかったガラス作家養成学校を設立されて、現在3期生が卒業されるに至ったそうです。私も兼ねてから北山氏に非常に影響されていることの一つとして、「文化」を大切に思う点があります。

「経済を凌駕するものは文化である」「国家戦略としてアートをとらえる必要がある」という発言には、いつも大きくうなずかされています。そして次には、幼稚園事業について話されましたが、現在ロリポップ村として、同一敷地内に幼稚園と保育所を併設するという、極めて珍しい施設を運営されているそうです。幼稚園と保育所は、管轄省庁が異なるため、この施設は両省をまたいだ珍しいものとなっているようです。このあたりをしなやかにやってのけるのも、北山氏ならではの感性だと思います。そして、現在経営されている那須にある二期倶楽部について語られました。もともとデザイン・建築が好きであったこともあって、「偶然」、6部屋の小さい「宿屋」を始めることになったそうです。当時は大きいホテルやリゾートホテル、和風旅館はあったものの、いわゆるオーベルジュ形態のホテルはなかったそうで、「自分が泊まって心地よい空間を作りたい」という思いから、二期倶楽部を作られたそうです。

ここでは「自然と静寂」をテーマに、那須の素材を大事にして「日本が世界に誇れる施設」を作りたかったそうです。後に、新館を増床し、さらに昨年東館をオープンされて、総客室数42部屋となったそうですが、この不況下において平均稼働率はなんと93%だそうです。北山氏は、お客様のニーズに合わせて常に進化していくことをモットーとし、小さなホテルならではの「質感」を守るために、並々ならぬ努力をされているそうです。「気配と色気のないホテルはホテルではない!」とは北山氏の言葉ですが、まさに「モノ」より「コト」を重視し、「一期一会から一期二会へ」をコンセプトに、期待を裏切らないブランドを丁寧に構築されている北山氏の姿勢が伺えるお話でした。ここまで歩んできた道のりを振り返り、一番大切だと思うことは、「一番大切にしているものを大切にする」ことだとおっしゃいます。ともすれば、一番大切にしているものを見失ったり、一番大切ではないものを大切にしたりしがちなので、これを常に心がけるようにされているそうです。講演の端々に、「たまたま運が良くて〜」「時代が良かったので〜」というフレーズを連発されていましたが、決してそれだけではない、大きく深いものが北山氏には横たわっている気がします。

これだけの成功を収めていてもまだ留まることなく、常に素人の目で考えて、自分の不足を冷静に見ること、そして人のご縁を大切にしたいということを力説されていました。この北山氏のこだわりが、見事に那須の二期倶楽部と、都内のレストランに表現されています。みなさんも機会があればぜひ訪ねてみてください。二期倶楽部の石・水・木のコントラストと、壮大な自然の力に圧倒されること間違いなしです。

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