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「このくにのかたち 民のちから〜東大阪から宇宙へ」 分科会長:株式会社アオキ 代表取締役 青木豊彦氏 |
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| ■講演後記 |
今月のPower30’s Second第9回例会は、「このくにのかたち」と題した2回シリーズのうちの2回目、「民のちから〜東大阪から宇宙へ」というテーマで、潟Aオキ代表取締役の青木豊彦氏に講演をしていただきました。前回に引き続き、今回の例会も朝日監査法人の揚川悦子氏の担当分科会でしたが、揚川氏ご自身の強いご希望により、直接青木氏に飛び込みで講師をお願いしていただき、開催の運びとなりました。「ごちゃごちゃ言わんと、やらなあかん!がんばろう関西!」のAC広告機構のCMをごらんになったことがありますか。東大阪に本社をおく「おっちゃん」達が集まって、東大阪から小型人工衛星を飛ばそうというプロジェクトのCMです。楊川氏もこのCMに魅せられて講師をお願いするにいたったわけですが、私も楊川氏も講演当日に初めて青木氏にお会いしました。今まで青木氏がされてきた講演とは、規模も客層も異なるため、何を話そうかと困ってらっしゃいましたが、いざ講演が始まると「青木節」満載の楽しい講演となりました。 私たちも関西にいながら、東大阪という街のことや、小型人工衛星を飛ばすプロジェクトのことなど、案外、漠然としか知らなかった人が多いと思います。今般の不況の折、また若い人・後継者がいない東大阪の町を、アメリカ村や北堀江のように若者の集まる元気な街にしたいという思いが、このプロジェクトを始める大きな動機だったそうです。「ハブラシからロケットまで」と言われるほど多業種で高い技術の製造業が約8,000社も集結している東大阪で、当初は文字通り「ロケット」を作ろうとしたそうですが、資金等の問題により小型人工衛星を作ることなったようです。今でこそ、小泉首相の演説に引用されたり、各マスコミに取り上げられたりしていますが、ここに来るまでに約2年もかかったそうです。それでも、地道に活動を続けていかれた結果、宇宙に関心のある人が案外多かったこと、この活動に「夢」を感じること、また東京一極集中への反発などからだんだんと支援を集めてこられました。 これら一連の活動の先頭に立ってらっしゃるのが青木氏なのですが、ご自身の経営される潟Aオキは、世界最小のボーイング社認定工場であり、100%飛行機関連の仕事をしているのは大阪では潟Aオキだけだそうです。お父様から経営を引き継がれた当初に出会った「経営指針で会社が伸びる」という書籍を読まれ、中小企業の社員がプライドを持って働いている話に強く感銘を受け、以来、社員にプライドを持たせるために、どこもやっていない仕事をやろうと、ボーイング社の認定を取ることを心に決められたそうです。今でも、その1節を読まれると涙が出てくるそうで、当日も読みながらしっかり涙ぐんでらっしゃいました。 講演の冒頭に、関西テレビに取材を受けたときのVTRを見せていただき、そのあとパワーポイントの資料でご説明をされたのですが、このパワーポイントの資料を作成されたのが、昨年8月に入社されたばかりの20代の女性だそうです。工学系の大学院を出て海外経験も豊富な若い女性が入社され、今では海外対応等も彼女が窓口になり、よりいっそう会社の活動範囲が広がっているようです。いまや、国内よりも海外のメディアや機関から注目されることも多く、技術提携の話も数多く舞い込んでいるそうです。小型人工衛星の打ち上げも、必要なヒト・技術・情報はずいぶん集まってきていて、あとは「カネ」だけだとおっしゃっていました。でも、小型人工衛星を作ることを、単なる「夢」の実現だけではなく、これをビジネスにするための施策もちゃんと見据えてらっしゃるところがさすがでした。人工衛星を「つくる」技術力もあり、「あげる」ためのNASDAとの提携もうまく進み、あとはこれをどう「つかう」かに、最も大きなビジネスチャンスがあると青木さんは強調されます。たとえば、衛星で雷を予知し、またその雷のエネルギーを宇宙へ放射することもできるようで、その情報をJRに流すことによって電車は落雷に備え駅で待避ができ、代替輸送等がスムーズに行えるなどのビジネスメリットがあるそうです。また、さらに人工衛星を子供の教育にも使っていく構想もあるそうです。人工衛星の根幹部分の標準化を行い、これを8つの技術に分担し、共同組合の形式で技術を集約させ専門機関・大学からの技術移転をして地場産業として定着させるべく日夜奔走されています。 講演開始前から何度も、「ただの河内のおっちゃんやから・・」を連発され、目を輝かせてお話をされる青木氏は魅力あふれる方でした。ご自身も「今日の話を聞いて自分のファンになってほしい」とおっしゃってましたが、その思いは十分通じたことと思います。「横文字」で「理論武装」をする昨今のコンサルティング的思想に、あえて反抗すべく、ベタな形で地道に製造業の「夢」を語っていきたいとおっしゃる青木氏。自分のことだけを考えずに、町・地域のことを考えることが少ないと思える「大阪」が元気になれればという言葉も、青木氏が語ると上すべりなお題目ではなくなります。私たちも「自信」を持って、勇気百倍、がんばっていきたいと思いました。 |
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