第9回講演会・懇親会―平成14年4月10日(水)―
第9回のPower30'sの例会は、MuseOSAKAにて、「和太鼓の現場から〜新世紀を生きるメッセージ」と題して、椛セ鼓センター代表のひがしむねのり氏にお話をしていただきました。
年度初めということもあってか、スタッフを含め、6名のみの参加となりましたが、質疑応答を交えながら、じっくりとひがし氏の講演をお聞きすることができました。

講演を企画した段階では桜の時期を見込んで、4月10日という日程と桜のきれいな南堀江公園横のMuseOSAKAというロケーションを選びました。
今年は桜が早咲きだったので、残念ながら正面の木はもうすっかり散っていましたが、公園脇に見事な花をつけた紅白2本の木(1本は八重桜でしたがもう1本は桃だったのでしょうか?)が、MuseOSAKA3階からの照明でライトアップされており、素晴らしい眺めでした。
いつもの3階のサロンがオープンエアになっており、春風を感じながらの素敵な会となりました。

ひがし氏には、これからの日本及び世界は、普遍性を問う「文明」の時代から個有性が重視される「文化」の時代になるというお話に始まり、個々の民族が保有する文化という背景から、日本の和太鼓の魅力を存分に語っていただけました。
最近、中国・韓国と視察をされてきた感想から、日本の和太鼓のリズムは、騎馬民族である韓国の太鼓のリズムとは異なり、同じ農耕民族である中国のリズムにとても近いというお話をされていました。
このあたりの話は、太鼓に限らず、日本の文化がどのような起源で起こってきているのかを考えさせられるものでした。

また、和太鼓の魅力として、バチ2本で叩くだけの簡単な音楽である点、体力を使うスポーツとしての魅力も兼ね備えている点、集団で演奏しいろんなパフォーマンスを折りこんでいる点、民族性が豊かで奥深さのある点、そしてすぐに馴染める即興性のある点を上げてらっしゃいました。
実際、会場でもメンバーが半分に分かれて、違うリズムと合いの手を即興で教えてもらって、みんなでやってみたりもしました。
さすがにMuseOSAKAでは大声を張り上げることはできませんでしたが、親子の体験教室などでこれをやると、すごく盛り上がるようです。
また、太鼓の練習をしている部屋でも、赤ちゃんがすやすやと眠っている話をされて、太鼓の振動は赤ちゃんが子宮にいるときの振動に近いため不快感がないということもおっしゃっていました。

今年度から文部科学省新指導要領にて、和楽器の履修が必須になったようです。
学校の音楽の教科書にも和楽器の楽譜が掲載され、学校の先生もなんらかの和楽器を教える必要があるため、教育の現場では大変な苦労のようです。
でも、学校教科書に掲載される和太鼓の楽譜は、実はひがし氏が1から考案されたものだそうで、後世に残す仕事ができてよかったとおっしゃっていました。

講演の最後の締めくくりとして、最近のスローガンとされている「生きるとは、自分の内面にあるものを具体的なものに表現することであり、その表現したものに触れ得た人間を元気づけることだ」という言葉を紹介されました。
常に人に「感動」を与えることを心がけ、いまでも和太鼓の作曲・プロデュースにと、現場を奔走し続ける、パワフルなひがし氏ですが、いつも好奇心を失わないその姿は、私達も見習わなければと、元気をいただいた気がしました。